商品の保管場所の確保に悩む物流管理者の方も多いのではないでしょうか。営業倉庫は種類も多く、選定基準も複雑なため、最適な選択に迷うケースが少なくありません。
本記事では、営業倉庫の法的要件から種類別の特徴、選定時の重要ポイントまで、実務で役立つ情報を3つのPartに分けて解説します(本記事はPart1)。これらの知識を活用することで、自社に最適な倉庫を見つけ、効率的な物流体制の構築が可能になります。
普通倉庫の種類と特徴を完全解説
営業倉庫には、1~3類倉庫、危険品倉庫、野積倉庫、トランクルーム、貯蔵槽倉庫があります。それぞれの倉庫タイプには、保管品目や温度管理、安全基準、立地特性など、独自の特徴や管理要件があります。
この記事では、各倉庫タイプの基本機能から運用体制、法的要件まで、物流戦略の最適化に必要な特徴を詳しく解説していきます。
1~3類倉庫の基本機能と活用メリット
通常皆さんが目にする建屋型の倉庫です。施設設備基準により1類、2類、3類の3つのグレードに分かれます。
1類倉庫は一番上のグレードの倉庫で、いろいろな貨物が保管されています。しかし、冷蔵倉庫、危険品倉庫での保管が義務づけられている物品は保管できません。
2類倉庫は防火、耐火性能が不要なため、1類倉庫に比べ保管可能な品物が制限されます。
3類倉庫は、防火、耐火性能に加え、防湿性能も不要です。そのため、燃えにくく、湿気にも強い貨物が保管されます。
危険品倉庫の安全基準と取扱商品
危険品倉庫は、消防法(昭和23年法律第186号)第2条の危険物及び高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)第2条の高圧ガスを保管するための倉庫です。
保管物はガソリン、灯油などが該当します。
野積倉庫の大型貨物保管のメリット
野積倉庫は、建設機材や重機、鉄鋼製品など大型貨物を屋外で保管できる施設です。建屋を必要としないため、広大なスペースを低コストで確保できるメリットがあります。
屋外保管における品質管理のポイントは以下の通りです。
- ・防水シートによる雨水対策と定期的な養生状態の確認
- ・地盤の水はけ確保と排水設備の整備
- ・錆び防止のための防錆剤塗布と定期点検の実施
- ・貨物の積み重ね高さ制限と養生資材の適切な使用
大型貨物の取り扱いには、十分な作業スペースの確保が不可欠です。天井クレーンやフォークリフトの旋回半径を考慮した配置計画を立て、搬出入経路を最適化することで作業効率が向上します。
貯蔵槽倉庫の特徴
法律上の6類物品(袋や容器に入っていない小麦、大麦、トウモロコシなどのバラ状、粉状の貨物、糖蜜などの液状貨物)を保管する倉庫です。いわゆるサイロやタンクと呼ばれるものになります。強度が非常に強くないと倉庫としては認められず、土地に定着し、かつ金属板やコンクリートに覆われて、密閉された貯蔵槽でないといけません。
まとめ
営業倉庫の選択は、物流業務の効率化と経営コストに直結する重要な判断です。本記事では、営業倉庫の種類や特徴を踏まえた選び方から、最適な物流を実現するためのポイントまでを詳しく解説しました。
これらの知識を活用し、貴社の事業規模や取扱商品に最適な営業倉庫を選定することで、効率的な物流体制の構築が可能になります。